デジタル証券株式会社への出資について

ニュースの概要

デジタル証券株式会社（DS社）への出資が完了したことが報じられました。出資者にはオリエントコーポレーションや丸紅株式会社、株式会社常陽銀行などの企業が含まれています。丸紅株式会社とJレイズ投資事業有限責任組合は、2022年10月に続く今回の出資で、DS社の不動産STO事業に対する関与を一層深めることになります。DS社は2025年5月29日に金融商品取引業の登録を完了し、証券会社および資産運用会社としての事業をスタートします。

不動産STOは、従来の不動産証券化商品とは異なり、ブロックチェーン技術を活用してセキュリティ・トークン（デジタル証券）を発行し、個人投資家に対してもアクセスを提供する新しい形の資金調達手法です。この仕組みにより、高額で流動性の低い不動産投資が小口化され、より多くの投資家に開放されることが期待されています。

DS社は、これまでに銀行や保険会社向けの不動産STOファンドの組成・運営を行い、2024年末までにその取り扱い金額が約235億円に達する見込みです。今後、DS社はSTOファンドの組成から販売、投資家間の売買に至るまでの一連のサービスを提供することを計画しています。

参考にすべきポイント

1. デジタル証券の重要性
   DS社が提供する不動産STOは、従来の金融商品とは異なる点が多いです。特に、ブロックチェーン技術を用いて電子的に発行されるため、透明性やセキュリティが高いという利点があります。この仕組みは、特に個人投資家にとって新たな投資機会を提供するものです。

2. 市場の流動性向上
   不動産STOを通じて、小口化された不動産資産の取引が可能となることで、これまで機関投資家に限定されていた投資機会に個人がアクセスできるようになります。この流動性向上は資産運用の多様化に寄与し、リスク分散が可能となります。

3. 政府の「貯蓄から投資へ」の動き
   政府は、金融資産が貯蓄から投資へとシフトすることを目指しています。この背景には、個人金融資産の運用先として新たな受け皿を整備する必要があるという意識が存在しています。DS社の活動は、この動きを後押しするものであり、今後の経済成長に寄与する可能性があります。

4. 関連企業の戦略
   出資した企業であるオリエントコーポレーションや丸紅株式会社は、DS社の成長を支援することで自らのビジネスチャンスも拡大できる姿勢が見て取れます。特に不動産分野での経験やネットワークを活用することで、双方にとっての相乗効果が見込まれます。

活用する方法

1. 投資ポートフォリオの見直し
   法人経営者や経理担当者は、自社の投資ポートフォリオを見直す際に、デジタル証券や不動産STOに関する情報を収集し、リスクとリターンを評価する必要があります。特に、小口化された不動産投資は、リスク分散戦略の一環として効果を発揮する可能性があります。

2. 新たな資金調達手段の模索
   自社の資金調達手段として、不動産STOの活用を考えることで資金流動性を高めることが可能です。STOを利用することで、従来の金融商品とは異なる柔軟な資金調達が実現し、資金調達コストの低減にも寄与することが期待されます。

3. 社内教育および情報収集
   デジタル証券に関する専門知識を社内で共有することが重要です。特に、新しい投資手法や金融商品に関するセミナーや研修を行うことで、従業員のスキル向上や企業全体の金融リテラシーを向上させることができます。

4. パートナーシップを活用
   デジタル証券事業は、今後の市場で重要な役割を果たすとされています。顧客やビジネスパートナーとの連携を強化し、情報共有や共同投資の機会を模索することで、競争力を高めることが出来るでしょう。

5. 市場の動向を注視
   不動産STOやデジタル証券市場は急速に変化しています。法人経営者や財務担当者は、常に最新の市場トレンドを把握し、戦略的意思決定に活かす必要があります。業界ニュースや専門家の意見をフォローし、適切なタイミングでの意思決定を行うことが求められます。

以上のポイントを踏まえ、デジタル証券株式会社への出資に関するプレスリリースから得られる情報は、法人経営者や経理・会計・総務・財務担当者にとって、今後のビジネス戦略や投資判断において非常に重要なものとなります。新たな市場機会を最大化するためには、情報収集と戦略的な活用が鍵となります。

デジタル証券株式会社への出資についてオリコ2025年6月20日 15時00分25オリエントコーポレーション、丸紅株式会社、株式会社常陽銀行が出資するJレイズ投資事業有限責任組合、株式会社サンケイビル、および株式会社名古屋銀行が出資するめいぎん地域活性化1号投資事業有限責任組合（以下、「5社」）は、不動産STO（セキュリティ・トークン・オファリング）事業を行うデジタル証券株式会社（以下、「DS社」）への出資（以下、「本出資」）を完了しました。丸紅株式会社とJレイズ投資事業有限責任組合は、2022年10月の出資に続いて2度目の出資となります（※1）。
なお、DS社は2025年5月29日付で金融商品取引業の登録を完了（※2）したことに伴い、証券会社および資産運用会社として事業を開始します。

背景・意義
STOは、ブロックチェーン技術に代表される分散型台帳技術を用いて電子的に発行される「セキュリティ・トークン」（デジタル証券）を発行することにより資金調達を行う手法です。不動産STOは、裏付け資産を不動産や不動産に係る権利とするデジタル証券のことをいい、従来の不動産証券化商品とは異なる次世代の金融商品です。STOの仕組みを活用することで、これまで機関投資家のみにアクセスが限られていた、最低投資金額が高額で、市場での流動性が低い不動産などの資産を、小口化して流動性を向上させることで、個人投資家も直接投資することが可能になります。

DS社のサービス概要
DS社およびDS社の子会社でシステム開発を担うオーナーシップ株式会社（以下、「OS社」）は、これまで銀行や保険会社などの適格機関投資家（※3）向け不動産STOファンドの組成・運営に関わってきました。OS社が開発・運用するSTOプラットフォーム「OwnerShip」で発行されたデジタル証券の取り扱い金額は、2024年12月末日時点で約2